【映画・洋画】黄金のアデーレ・名画の帰還の感想・評価｜名画に隠された真実に迫る！歴史に翻弄された女性を描いたドラマティックな作品！｜ネタバレ

あらすじ｜アデーレの遺族、マリア・アルトマンが家族の歴史を取り戻す｜ネタバレ

主人公のマリア・アルトマンは、姉が亡くなり遺品の中から、ナチスに略奪された美術品についてのリストを見つけ、叔母アデーレの肖像画が含まれていることを発見しました。

冒頭でもお伝えした通りこの映画は、1938年にナチスにより奪われた、伯母アデーレの肖像画に対して、返還起訴を遺族のマリア・アルトマンが起こした実話を題材にしています。

ヒットラーは、もともと画家志望で、ウィーン美術アカデミーの受験に失敗したことは有名です。
彼は、生涯にわたり美術への情熱を深め、自身が描いた絵は、今も残されています。

ストーリーの主人公であるマリア・アルトマンは、今はアメリカに在住している82歳の女性です。
彼女は、もともとオーストリアに住む名門の一家でした。
オーストリアに住んでいた当時、ナチスの侵略により、一家は迫害を受け命からがらマリアと夫は、共にアメリカへ亡命を果たします。

マリアの一家は、芸術に対して豊かな感性をもつ家庭でした。

マリアの伯母夫婦は子供がおらず、マリアを娘のように可愛がっていました。
そんなマリアは、自然と伯母によく似ている部分があると、伯父は感じていたようです。

マリアにとって、アデーレの肖像画は財産価値以上のものです。

依頼する人物は、経験の面よりも信頼たる人物かを優先し、友人の息子である弁護士・ランディにしました。
ランディーは、まったく別の分野を専門にする弁護士でしたが、マリアの想いを考慮し依頼を引き受けます。

返還には、マリアがオーストリアで行われる美術品返還の審問会で、自らスピーチする必要がありました。

無事返還起訴の手続きができましたが、順調にいくはずも無く、オーストリア政府から拒否されてしまいました。

なぜオーストリアがアデーレの肖像画を所有できたのか？

このことがあり、オーストリアはアデーレの肖像画を所有し、時代を経るごとに国民の精神的心中となっていきます。

1938年に（アデーレが亡くなった13年後）に、ナチスによってアデーレの肖像画は略奪されます。
その後、アデーレの夫が亡くなる前に残した遺言では、ナチスに没収されたクリムトの絵画や財産は、姪のマリアと甥に譲るとしていました。

この返還騒動が起きた2006年当時、オーストリアでは、かなり新聞を賑わせ注目のニュースとされていたようです。

注目キャスト｜マリア役ヘレン・ミルトン

数々の有名な映画に出演するヘレンミルトンさんですが、どの役を演じても同じに見えません。
今回の映画では、歴史に翻弄されながらも、賢明に生き抜いた芯をもった女性マリアそのものでした。

DEFUGAMI の感想｜アデーレの肖像画の印象が変化

頭では、様々な芸術番組などで知識としてだけ知っていた事柄でも、映像を通して作品にまつわる家族のストーリーを知るのとでは、共感する深さが違っていきます。

そして、マリアさんの過去を通して歴史を知り、当時の状況が壮絶なものだったんだと、やるせない思いを感じました。
自分では、如何しようもない状況に苦しめられ、家族や友人を奪われるのは、どんなに理不尽で辛かったことでしょうか。

全てを奪われたマリアさんにとって、素晴らしい作品というより、家族の思い出の品という事柄が大きかったんでしょう。

オーストリア政府にとっては、アデーレは国の宝であり、国の威信にかけて守るべき作品だったので、返還するわけにはいかなかったはずです。

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